小岩医院の日記

東京都江戸川区東小岩で内科医(専門は循環器)をしています。日頃どのような事を考えながら診療を行っているかを書いていけたらいいなと思っています。

「医師が飲みたくない薬」は本当なのでしょうか?

2017年9月の週刊現代で「医師が自分では飲みたく薬」という内容の記事を出していました。
非常に興味深い内容である同時に、突っ込み所が多くて内容が頭に入ってきません。
でも一番感じたのは、薬を生かすも殺すも処方医しだいという事です。

またこういった強い否定的な意見というのは注目されやすいし、読んでいて面白いだろうと感じました。
書いてある内容はどれも決して嘘ではないし、言いたい事も分かります。

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ただどうしても気になるのが、糖尿病の部分と頭痛などのロキソニンの部分です。

そもそも60歳以上の名医と言うなら、自らが糖尿病にならないで欲しいものです。
また現在糖尿病の薬はたくさんの種類があり、その組み合わせもたくさんあります。どの薬とどの薬を組み合わせるかは医師の世代で大きく変わります。
自分が医師になって約15年経過しますが、その間にいろいろ薬が誕生し、組み合わせのパターンも増えました。国や人種によっても好まれる薬は異なります。
そういった色々な要素を考慮して、薬を決める必要があります。

 

ロキソニンについても意見が誇張され過ぎています。
自分自身、非常にロキソニンのお世話になっており、携帯しているリュックには必ず入っています。
頭痛・発熱の際には迷わず使っていますし、体調不良の時でも仕事をしなければならない時もロキソニンと共に踏ん張ってきました。
長期使用すれば害が出る薬かもしれませんが、使い方次第では非常に良い薬です。
20世紀最高の薬の1つだと思っているだけに、悪者扱いされる事が多いのが残念です。