小岩医院の日記

東京都江戸川区東小岩で内科医(専門は循環器)をしています。日頃どのような事を考えながら診療を行っているかを書いていけたらいいなと思っています。

花粉症にケナコルトはあり?? 

花粉の量はだいぶ落ち着いてきましたが、まだまだ花粉症の症状は続いています。
そこで今回ケナコルトという薬を紹介します。
1回筋肉注射すると、1か月間花粉症の症状をかなり緩和してくれます。
しかしネットで検索すると、まるで悪魔の薬の様な扱いを受けているかわいそうな薬です。
「当院では頼まれても絶対に打ちません」みたいな事を書いているクリニックも多数見かけます。

でも本当にそんなに悪い薬なのでしょうか?

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確かにステロイドを長時間効かせるために、それなりの量を筋肉注射します。
そのため様々な副作用に注意が必要です。

副作用は挙げたらキリがありません。代表的なものは下の通りです。

感染症や副腎機能不全

②皮下注射箇所の筋肉の萎縮・陥没

③糖尿病の悪化

精神障害(うつ病)、全身倦怠感(リバウンド現象)

骨粗鬆症

⑥生理不順

満月様顔貌、顔面紅斑

 

しかし大事なのは薬の使い方です。
適切な人に、適切な量、適切な頻度で打てば、心配しすぎる必要はありません。
私自身も去年は花粉症(目が痒くて鼻水が止まらない)に苦しみ、注射を打って1か月間とても楽に過ごしましたが、今年はそれほど辛くなかったので打っていません。
職場の同僚・患者さんにも使用しましたが、非常に高評価で現状副作用は確認されていません。

まずはご相談下さい。
当院では問題なく使用できると判断した場合のみ、注射を行っています。