小岩医院の日記

東京都江戸川区東小岩で内科医(専門は循環器)をしています。日頃どのような事を考えながら診療を行っているかを書いていけたらいいなと思っています。

小岩

心不全の評価がすぐに出来るようになりました。

心不全を評価する時に非常に重要な項目である「BNP」が15分で測定できるようになりました。 必要とする血液量は目薬1-2滴分くらいです。 そのため痛みをあまり感じずに検査をする事が出来ます。 もちろんその他の採血も同時に行う場合は今まで通りの採血方法…

防水対応のホルター心電図(24時間心電図)を購入しました。

防水対応のホルター心電図(24時間心電図)を購入しました。 当院では今まで従来の非防水のホルター心電図を使用していました。体に貼るシールが多く、コードも多く、準備をするこちら側も少し混乱してしまうような構造でした。更に非防水のため、入浴やシャ…

たけしの家庭の医学 2020年2月4日

テレビをつけたら非常に興味深いテーマだったので、ついつい見てしまいました。 「冬の突然死を防ぐ」というのがテーマで、しかもその病気はどれも循環器科特有の病気でした。 ①脳梗塞 ②大動脈瘤 ③心筋梗塞 たまに見ている番組で、いつもは大袈裟な表現が多…

睡眠時無呼吸が原因の心不全 その2

・ちゃんと睡眠時間は確保しているのにどうも眠い。 ・ちゃんと寝ているのに疲れが取れない。 ・今まで感じた事がない息切れを感じるようになった。 ・まだ若いはずなのに疲れやすい。 こういった症状を感じている方は少なくありません。 病院へ行くと「心不…

心房細動の管理について その3

慢性の心房細動を比較的安全な状態に維持(管理)する上で重要な事は以下の3つと考えています。 ①血液をサラサラにしているか ②脈拍数のコントロール ③血液検査のBNPもしくはNT-ProBNPの管理 ③について 心房細動の管理が上手く出来ているかどうかを評価する…

心房細動の管理について その2

慢性の心房細動を比較的安全な状態に維持(管理)する上で重要な事は以下の3つと考えています。 ①血液をサラサラにしているか ②脈拍数のコントロール ③血液検査のBNPもしくはNT-ProBNPの管理 ②について 血液をサラサラにするという行為は、あくまでも脳梗塞…

心房細動の管理について その1

慢性の心房細動を比較的安全な状態に維持(管理)する上で重要な事は以下の3つと考えています。 ①血液をサラサラにしているか ②脈拍数のコントロール ③血液検査のBNPもしくはNT-ProBNPの管理 ①について 長嶋監督や小渕元首相、オシム元監督らは心房細動に伴…

たこつぼ心筋症ってご存じですか?🐙

最近当直していてよく出くわすのが、「たこつぼ心筋症」というものです。 この1か月で2人の患者さんを担当しました。 あまり広く世間に浸透している病名ではなく、テレビなどで耳にする事はほとんどありませんが、誰でもなり得て、油断すると怖い病気の1つ…

良い(目当ての)医者に掛かる方法 その2

とりあえず有名な病院に行くというのは危険があります。 有名な病院に行ったからといって、必ず良い医者に当たるとは限らないからです。 もちろん有名な病院には能力の高い医師が揃ってる事が多いとは思いますが、それらの医師たちが患者さんとちゃんと向き…

良い医者に掛かる方法 その1

「良い医者」と一言でも言っても、患者さんが求める「良い医者」は様々です。 自分は割と包み隠さず患者さんに説明をしていますが、それを気に入ってくれる方もいれば、ズバッと言われて気分を害して離れていく方もいます。 ちなみに病院内でよく聞くクレー…

心不全チェックリストをうまく使ってください。

一般の方向けの、心不全チェックリストが日本循環器学会から発表されました。 10個の項目があり、それに該当すれば心不全の可能性があるというものです。 とは言え、10個すべてが重要というわけではありません。 例えば①に該当する方は非常に多く、これだけ…

有意義な検査を受けましょう!

様々な病気があるように、検査も色々なものがあります。 そのためどの検査をどのように受ければいいか分からない方が多いと思います。 例えば胃癌や大腸癌かどうかをハッキリさせたければ、血液検査やCTを何度もやるより、胃カメラや大腸カメラをやった方が…

健診で心電図異常を指摘されたら・・・。

循環器外来をしていると、健診で心電図異常を指摘されたという方がたくさん来ます。 そんな心電図異常で一番多いのが、「心室性期外収縮」というものです。 波形はこんな感じです。 健診の心電図はだいたい5~10秒の心電図が記録されます。 その中に1回でも…

医師が受けたくない・受ける必要がないと思う検査とは?

女性セブンで「医師が受けたくない・受ける必要がない検査」を特集していました。 こういった特集は実際の考えと解離が見られる事が多いですが、これはなかなかリアルな考えだなと思いました。 1位は「腫瘍マーカー」と「バリウム検査」でした。 腫瘍マーカ…

たばこは悪者??

世の中には色々な医者がいて、その中には少し偏った考え方を持っている人が少なくありません。もちろん自分にもそういった面があると思います。 そういった先生が担当になった場合、予想以上に傷ついてしまう事もあります。「たばこ」が良い例だと思います。…

有名人と病気 「小渕恵三 元総理大臣」

「心房細動」を患者さんに説明する上で、一番最初に例として挙げています。2000年に心房細動を原因とした脳梗塞により亡くなられました。 当時はまだ心房細動が脳梗塞の原因になるという事実が、世間にあまり浸透していなかったように思います。現在ではかな…

健診で初めて指摘された心房細動(心房粗動)はだいたい治ります。

「健診で初めて不整脈を指摘されました」 そういって外来に来られる方は非常に多いです。 その多くが「期外収縮」という、あまり害の無い不整脈が多いです。 しかしその中には「心房細動」や「心房粗動」といった不整脈の方も多くいます。 そういった方々を…

睡眠時無呼吸を正しく治療して、心不全を治す。そしてCPAPも卒業へ。

2年程前、別の科で手術をする予定だった患者さんが、手術前の心エコー検査で心不全の疑いがあるという事で精密検査の依頼がありました。 その時の心エコー検査が以下の図です。 心臓の収縮力(EF)が35.6%と非常に低下していました。通常は70%前後です。 心…

「医師が飲みたくない薬」は本当なのでしょうか?

2017年9月の週刊現代で「医師が自分では飲みたく薬」という内容の記事を出していました。非常に興味深い内容である同時に、突っ込み所が多くて内容が頭に入ってきません。でも一番感じたのは、薬を生かすも殺すも処方医しだいという事です。 またこういった…

帯状疱疹が最近増えている気がします。

最近帯状疱疹の患者さんが増えている印象があります。 日本人の3人に1人がなると言われており、決して珍しい病気ではありませんが、未だに世間にはあまり浸透していない気がします。簡単に言えば大人の水ぼうそうです。大半の患者が60歳以上と言われています…

睡眠時無呼吸症候群が原因の心不全

息切れや呼吸苦、浮腫といった症状は心不全の主な症状の1つです。 高齢者ばかりというイメージがあるかもしれませんが、実は若い人でも心不全状態に陥ってしまう方は少なくありません。 2年ほど前に40後半の女性が心不全による呼吸不全で救急車で運ばれてき…

やはり心房細動は治した方がいい。

心房細動の患者が来られた時にまず最初に考えるのは、脈拍数コントロールを主体とする治療を行うか、不整脈を元の脈に戻す治療を行うかをどうかです。 残念ながら元に戻りそうにない心房細動があるのは事実ですが、やはり治りそうなものは治してあげた方がい…

更年期障害は女性だけのものではありません。

更年期障害と言うと女性だけのもの、というイメージがまだまだ消えません。 実は男性にも更年期障害があるというのはご存じでしょうか? 40歳頃から始まると言われていますが、60歳頃から増えてくる印象があります。循環器外来をしていて更年期障害を疑うよ…

その心房細動、そのままにしていて本当に良いのでしょか?? もしかしたら治るかもしれませんよ。

心房細動のコントロールについては色々な考えがあって、担当する医師によっても方針は様々です。 2002年にAFFIRM試験というものが発表された事で流れが変わりました。心房細動をそのままにして脈拍のコントロールを行った場合(レートコントロール)と心房細…

花粉症にケナコルトはあり?? 

花粉の量はだいぶ落ち着いてきましたが、まだまだ花粉症の症状は続いています。そこで今回ケナコルトという薬を紹介します。1回筋肉注射すると、1か月間花粉症の症状をかなり緩和してくれます。しかしネットで検索すると、まるで悪魔の薬の様な扱いを受けて…

心臓の調子、悪くないですか?もしかしたら心不全かもしれません。

心臓の調子が悪いと出てくる症状は様々ですが、代表的なものが疲れやすさ、息切れ、動悸です。これらは心不全の代表的な症状です。 これらは比較的簡単な検査で原因をある程度特定する事が可能です。原因が分かれば、それから治療方針を決めて、日々どういっ…