心不全の評価がすぐに出来るようになりました。
心不全を評価する時に非常に重要な項目である「BNP」が15分で測定できるようになりました。
必要とする血液量は目薬1-2滴分くらいです。
そのため痛みをあまり感じずに検査をする事が出来ます。
もちろんその他の採血も同時に行う場合は今まで通りの採血方法となります。
病院を受診した当日に検査結果が出れば、その場で現状を説明する事が出来る上に、その結果次第で薬を減らしたり増やしたりする事も出来ます。
後日結果説明のためにわざわざ病院に行く必要もないし、心不全の治療が遅れてしまう心配もありません。
心不全の判断・評価方法を説明するのは難しいですが、BNPのように「数字」で結果が出る客観的データは、患者さんに説明する時に非常に助かります。
多くの場合、BNPが100を超えると注意が必要であり、逆に100を下回っていれば比較的安心です。
そのため
「100以下なので心配する必要はありません」
「100を超えたら薬を追加します」
「200を超えたら手術などが必要になります」
といったように、比較的分かり易く説明する事が出来ます。
また説得力も増すため、次の治療につなげやすいという利点もあります。
よくある一例を最後に紹介します。
健診などでBNPが200と分かり、心不全で今すぐ入院や治療が必要と言われた、という事で来院された患者さんがいます。
その方の心電図を取ると「心房細動」という不整脈がある事が分かりました。
心房細動の方はBNPが基本的に高くなり、落ち着いている方でもBNP 200前後の方が多いです。
そのため「心房細動の方は、BNPが200~400くらいが普通です。だから現状特別な心不全の治療は必要ありません。」
と説明した事で、一安心されました。
とは言えそういった方々は、心房細動の管理を行う必要があるため、全く病院へ行く必要が無いというわけではありません。
しかし「心不全ではない」「入院の必要はない」と分かる事は非常に重要です。
特にいきなり「入院」と言われる事は非常に恐怖ですから、そういった事からの解放は非常に大事な事だと思います。
心不全が心配だという方は、是非一度測定してみてはいかがでしょうか?