小岩医院の日記

東京都江戸川区東小岩で内科医(専門は循環器)をしています。日頃どのような事を考えながら診療を行っているかを書いていけたらいいなと思っています。

花粉症つらい・・・

今日は花粉が多いせいか、一日中クシャミをしていました。

鼻水も止まらず、鼻の下が真っ赤になって痛いです💦

去年は花粉が少なったのでそこまで苦労はしなかったのですが、今年は予想通り花粉が多くつらいです。

コロナ禍の中でマスク着用が必須のため、さほど花粉で苦労しないと油断していました。外出してクシャミばかりしていると、 とても申し訳ない感じがしてしまいます。

きっと花粉症の人は理解してくれると思いつつも、肩身が非常に狭いです。

マスクの中が鼻水でグチョグチョになってしまうのも辛いです。

とりあえず抗アレルギー薬を服用してみますが、おそらくそれでは落ち着かないので、今年もケナコルトを打つことになりそうです。

世間では副作用の観点から悪しき薬とされていますが、自分を含め花粉症で困っている人にとっては救世主です。特にコロナ禍で周りの目が気になる昨今では、より必要とされるべき薬だと思っています。

 

もしご興味がありましたら、下記のブログもご参照の上、一度ご相談ください。

遠方からケナコルトを打ちに来られる方もいますが、「世界が変わる」と言っていますし、自分自身もその通りだと思っています。

koiwaiin.hatenablog.com

 

糖尿病の評価もすぐに出来るようになりました。

糖尿病の程度を評価する上で必要不可欠である「HbA1c」が、6分で測定できるようになりました。

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今まで糖尿病の評価をする際に、「HbA1c」の結果を診察当日に患者さんに伝える事は出来ませんでした。そのため結果をすぐ知りたい方には数日後に再び来院してもらうしかなく、場合によっては結果を電話やメール、郵送などで報告するしかありませんでした。

多忙な現代人にとって、数日後に再度病院へ行くのは大変です。

電話や郵送で結果を報告したとしても、結果が良ければ問題ないのですが、結果が悪かった時に治療方針を変更する場合、それが次回の外来になってしまう事が多いです。

そうするとどうしても治療が一歩遅れてしまいます。

また前回採血から時間が経つと、治療への熱量が下がり、「同じ薬で次回まで待って下さい」と言われてしまう事が多かったように思います。

糖尿病は急に悪くなる事もあるため、やはり診察当日に測定できる必要があると思います。

 

今回採用した機械は、わずかな採血量で「HbA1c」を測定する事が出来ます。

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HbA1c」の結果が良ければ薬を減量・中止する事も出来ます。

逆に「HbA1c」の結果が思った以上に悪ければ、薬を増量したり、次回の外来まで食事療法を強化してもらう事が可能です。

 

HbA1c」の測定を即日行う事で、スピード感のある糖尿病治療をしたいと考えています。

心不全の評価がすぐに出来るようになりました。

心不全を評価する時に非常に重要な項目である「BNP」が15分で測定できるようになりました。

必要とする血液量は目薬1-2滴分くらいです。

そのため痛みをあまり感じずに検査をする事が出来ます。

もちろんその他の採血も同時に行う場合は今まで通りの採血方法となります。

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病院を受診した当日に検査結果が出れば、その場で現状を説明する事が出来る上に、その結果次第で薬を減らしたり増やしたりする事も出来ます。

後日結果説明のためにわざわざ病院に行く必要もないし、心不全の治療が遅れてしまう心配もありません。

 

心不全の判断・評価方法を説明するのは難しいですが、BNPのように「数字」で結果が出る客観的データは、患者さんに説明する時に非常に助かります。

多くの場合、BNPが100を超えると注意が必要であり、逆に100を下回っていれば比較的安心です。

そのため

「100以下なので心配する必要はありません」

「100を超えたら薬を追加します」

「200を超えたら手術などが必要になります」

といったように、比較的分かり易く説明する事が出来ます。

また説得力も増すため、次の治療につなげやすいという利点もあります。

 

よくある一例を最後に紹介します。

健診などでBNPが200と分かり、心不全で今すぐ入院や治療が必要と言われた、という事で来院された患者さんがいます。

その方の心電図を取ると「心房細動」という不整脈がある事が分かりました。

心房細動の方はBNPが基本的に高くなり、落ち着いている方でもBNP 200前後の方が多いです。

そのため「心房細動の方は、BNPが200~400くらいが普通です。だから現状特別な心不全の治療は必要ありません。」

と説明した事で、一安心されました。

とは言えそういった方々は、心房細動の管理を行う必要があるため、全く病院へ行く必要が無いというわけではありません。

しかし「心不全ではない」「入院の必要はない」と分かる事は非常に重要です。

特にいきなり「入院」と言われる事は非常に恐怖ですから、そういった事からの解放は非常に大事な事だと思います。

 

心不全が心配だという方は、是非一度測定してみてはいかがでしょうか?

防水対応のホルター心電図(24時間心電図)を購入しました。

防水対応のホルター心電図(24時間心電図)を購入しました。

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当院では今まで従来の非防水のホルター心電図を使用していました。
体に貼るシールが多く、コードも多く、準備をするこちら側も少し混乱してしまうような構造でした。
更に非防水のため、入浴やシャワーが禁止されており、暑い夏場に検査を行う事に非常に抵抗がありました。
また患者さんからも「もう少し涼しくなってから…」という声が多くありました。

 

そこで当院では防水対応のホルター心電図を採用する事にしました。
体に貼るシールが3枚と少なく(今までは4~5枚)、コードもほとんどありません。
ホルター心電図の機械本体をベルトで固定したり、首から下げておく必要もなくなりました。
そしてなんといってもお風呂・シャワーが可能なため、夏場でも快適に安心して検査が出来ます。
更には入浴中に発生した不整脈も記録する事が出来ます。

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またホルター心電図検査は、装着した翌日に返却して頂く必要があります。
そのため病院やクリニックが開いている時にしか返却する事が出来ない事が多いです。
そうするとわざわざ仕事を休んだり、途中で抜けたりしなければなりません。
また日曜日が休診の所が多いため、土曜日に検査をする事も出来なかったりします。


そこで当院では診療時間外でも返却できるように、専用のケースを用意して当院のポストに返却して頂く事も出来ます。
そうすれば、仕事が終わった後でも返却する事が出来ます。

今までは色々な制約があったホルター心電図検査ですが、
これからはもう少し気軽に、いつでも行う事が出来るようにしていきたいです。
そうする事で不整脈などの心臓疾患の診療に役立てていきたいと思います。

コロナ関連の出来事 その2

今日は柏市の病院で当直をしています🏥
コロナ治療の最前線以外でもコロナの影響で医療の日常が少しずつ変化しています。
今日はそんな一例を経験しました。
 
「自宅で家族に見守られて息を引き取る」
そういった最期を迎えられる人は非常に少なく、ほとんどの場合は病院などの医療施設で迎えます。
その中で自宅で急に心肺停止となり、病院に救急搬送される事は多く、掛かりつけの病院が対応できず、搬送された先が初診である場合も多々あります。
 
今日は80歳前後の方が初診で心肺停止の状態で救急搬送されてきました。体は痩せていて、数か月前から自宅で寝たきりであり、明らかに老衰の状態でした。
自院が掛かりつけ医ではない上に、頭・胸・腹のCTで明らかな病死の原因が特定できない場合、通常警察介入となり警察による検死が行われます。
普段であれば警察の方と10分前後のやり取りの後、警察がご遺体を収容して終了となります。
しかし今回はCTで軽度の肺炎があったという事で対応がガラリと変わります。
PCR検査を行ってコロナが陰性という結果が出るか、医師が絶対大丈夫と判断すれば収容するというのです。
このご時世で絶対大丈夫なんて言えるわけもなく、PCR検査をする流れになりますが、休日にすぐできるわけがありません。
保健所に連絡をしたところ、事情を説明しても検査が出来るのは早くても明日で、結果が出るのは明日の夕方。近くの大学病院でも検査を受けられずに4名のご遺体が安置されているというのです。
もちろん検査結果が出るまで病院で安置するしかなく、結果が出るまで家族も接触できないので、自宅へ連れて帰るという選択肢もありません。
仮に今回無事掛かりつけ医に搬送されたとして、CTで肺炎らしき所見を認めた為、死亡診断書に死因:肺炎と書いたとします。
すると今度は葬儀屋さんからコロナかどうか調べてほしいという話が出ます。コロナが陰性と出ない限り引き取れないというのです。
葬式を行うにしても自粛ムードの現状では、細々と行うしかありません。
またコロナとは全く違う病気(癌など)の場合でも、病院で亡くなる時は面会規制の影響で以前の様に家族に囲まれて息を引き取るというのが難しい状況です。
 
今まで多くの人が想像していた「人の最期」がコロナの影響で大きく変わってしまっています。
昔のドラマであったような、自宅で家族に手を握られながら息を引き取るというのは、在宅介護、訪問看護、24時間対応の訪問診療などなど、多くのサポートがないと実現不可能になってきています。

コロナ関連の出来事 その1

今日は千葉県柏市の病院で当直をしています🏥
テレビではコロナウイルスの感染者数が毎日報道されていますが、その背景には診断がつかずに不当な扱いを受けている人が多数いる事を再認識させられました。

 

 

 医療機関で働く20代の女性が40度近い発熱で救急搬送されてきました。近くの医療機関に問い合わせても結局コロナの疑いがあるという事でまともに診てもらえない状況だったようです。
そして職場では「インフルが陰性だからコロナだね」という扱いを受けたようです。時期が時期だけにある程度は仕方がないとは思いますが、当事者はバイ菌扱いされて、「あなたのせいで病棟が閉鎖になった」と言われていたようです。
結局レントゲンで肺炎がなく、インフルも陰性で、採血尿検査で尿路感染症腎盂腎炎)の診断となり、そのまま入院となりました。
コロナではないと分かって安心したのか、感極まって泣き出し、職場でそういった扱いを受けて辛かったという事を話してくれました。

 

誰だっていつでも熱を出しますし、女の人であれば尿路感染症はよくある事ですが、今の時期だとどうしてもコロナかどうかが焦点になってしまいます。
自分もインフルエンザになって人にうつしてしまった時にバイ菌扱いされて結構辛かったですが、コロナ疑いとなったらそんなレベルでは済まないと思います。

 

今はまだワクチンも薬もなく、検査も限られているため我慢の時期ですが、早くインフルエンザの様に誰がなっても不思議ではなく、必要以上に恐れる事はない状態になってほしいです。

たけしの家庭の医学 2020年2月4日

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テレビをつけたら非常に興味深いテーマだったので、ついつい見てしまいました。

「冬の突然死を防ぐ」というのがテーマで、しかもその病気はどれも循環器科特有の病気でした。

脳梗塞

②大動脈瘤

心筋梗塞

 

たまに見ている番組で、いつもは大袈裟な表現が多いですが、今回は割と分かり易くまとまっていて、病気の症状もよくあるシチュエーションになっていました。

①の脳梗塞については、心房細動という不整脈のせいで巨大な脳梗塞を起こして命を落とすというものでした。

これはまさに小渕元総理大臣が亡くなった状況と同じです。

ちゃんと病院へ行き、高血圧と不整脈の管理をしていれば防げたかもしれないという内容でした。

このテーマについてはNHKなどでも扱っており、もっと浸透してほしいと切に願っています。

 

②の大動脈瘤は「声のかすれ」から胸部大動脈瘤を診断するというものでした。

一般の方からするとそんな事ありえるの?と思う内容かもしれませんが、これも大動脈瘤を診る側からすると、古くから言われている胸部大動脈瘤の代表的な症状です。

実際に声のかすれから胸部大動脈瘤の診断に至ったケースは数える程しかありませんが、声のかすれ(嗄声)⇒大動脈瘤という思考は研修医時代から刷り込まれています。

これもレントゲン・CTですぐに診断に至るので、疑わしければすぐに病院へ行きましょうという内容でした。

 

③の心筋梗塞は胸痛などの前兆があり心筋梗塞に発展してしまった症例でした。

つまり狭心症から心筋梗塞に発展してしまったというものです。

この場合も下図のような心臓CTを撮れる病院へ行けば、未然に防げます。

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しかし心筋梗塞の半分は前兆が全く無いと言われています。

高血圧や糖尿病、家族歴など怪しい点があれば、少々面倒かもしれませんが、一度精密検査を受けてみるといいかもしれません。

 

今回の番組の内容は、どれも非常に興味深いものでした。