その心房細動、そのままにしていて本当に良いのでしょか?? もしかしたら治るかもしれませんよ。
心房細動のコントロールについては色々な考えがあって、担当する医師によっても方針は様々です。
2002年にAFFIRM試験というものが発表された事で流れが変わりました。
心房細動をそのままにして脈拍のコントロールを行った場合(レートコントロール)と心房細動を元の脈(洞調律)に戻す治療を行った場合(リズムコントロール)の予後が変わらないというものです。
そのため外来で心房細動の患者さんが来ても、無理に治そうとしないのが一般的になりました。
でも果たして本当にそれでいいのでしょうか?
自分が心房細動になったら、やっぱり治してもらいたいです。もちろん治るものならば、です。
以下の写真は自分が担当している患者さんの一例です。
2016年から2018年まで別の先生に診てもらっていた方で、わけあって2018年7月から自分が診ている方は、発症時期不明の心房細動でした。
もしかしたら治るかもしれないと思い、薬を変更して勝負に出たところ、2018年10月には元の脈(洞調律)に戻り、現在も洞調律を維持しています。
元に戻るかもしれない、戻した方がいいと判断した理由はいくつかあります。
①心房細動の影響で心機能の低下が見られていた事
②心エコーで左房の拡大があまり見られていなかった事
③まだ洞調律化を一度も試していない事
などが考えられます。
使用した薬は、ベプリコール 50mg錠を朝夕1錠ずつ、アミオダロン 100mg錠を朝1錠です。
最初はアミオダロンだけで治そうかと思いましたが、それだけでは治る気配がなく、ベプリコールを開始したところ、その1か月後に洞調律に戻りました。
それに伴い血液検査も良くなっています。
慢性心房細動の方だと、200前後でコントロールされているのが良好と考えられています。
そういう意味ではこの患者さんのBNPコントロールは良好だったと言えます。
そのため無理に洞調律へ戻しに行かなくても良かったとも考えられます。
とは言え、洞調律へ戻る事でBNPがより低値になっている事を考えると、洞調律に戻った事は患者さんにとっては良かった事だと思います。
こういった例を見ると、最初からレートコントロールを行うよりも、治る可能性があると判断した場合はリズムコントロールを試みた方が患者さんの為になると思います。
心房細動でお悩みの方がいましたら、一度ご相談下さい。